2026-07-10(金)配信

セキュリティ脅威情報

■ 要対応(緊急度が高く、多くの組織で対応が必要な事案)
休眠GitHubアカウントを悪用した企業偵察キャンペーン
Datadog Security Labsは、GitHub APIを悪用して企業組織のレポジトリやユーザー情報を収集する広範なキャンペーンを報告しました。攻撃者は数年前から放置された「ゴーストアカウント」や漏洩したトークンを駆使し、正規のトラフィックを装って偵察活動を行っています。
なぜご自身の組織で確認すべきか広く使われているGitHubにおいて、休眠アカウントを悪用した組織的な偵察活動が確認されており、MFA強制やPAT権限の最小化などの即時対応が推奨されるため。

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■ 脅威動向
脆弱性Linux Kernelのnetfilterにおける境界チェック不備の脆弱性
Linux Kernelのnetfilterコンポーネントにおいて、ネットワークパケット処理時の境界チェックが不十分であることに起因する脆弱性が存在する。具体的には、ip6t_eui64やxt_mac、ipsetなどのモジュールが、Ethernetヘッダの存在や妥当性を十分に検証しないままeth_hdr()関数を呼び出していた。この問題により、細工されたパケットを処理させることで、システムが不正なメモリ領域へアクセスする可能性がある。CVSSスコアが9.4と高く、ネットワーク経由で攻撃可能なため、重大な脆弱性であると判断される。
対象ソフト
Linux Kernelは、オープンソースのオペレーティングシステムの中核をなすソフトウェアであり、サーバー、デスクトップ、組み込み機器など広範なシステムで利用されている。
影響
攻撃者によって細工されたパケットを送信されることで、情報の漏洩、データの改ざん、またはサービス運用妨害(DoS)が発生する可能性がある。
対応策
JVN DBを参照し、修正が適用された最新のLinux Kernelバージョンへアップデートすること。
クラウドバケット乗っ取り等の最新脅威まとめ
クラウドストレージのバケット名がグローバルで一意であることを悪用した「バケット乗っ取り」や、Windowsの権限昇格、正規のITサポートを装ったソーシャルエンジニアリングなど、設定不備や正規プロセスの悪用を狙う攻撃が多発しています。
主要なTTP
クラウドストレージのバケット名再利用による乗っ取り
Process Parameter Poisoning(P³)を用いたプロセスへのコードインジェクション
偽のITサポートによるリモートアクセスツール(AnyDesk等)の導入
ADFSの構成不備を突いたトークン偽造
対象となる組織・利用者
クラウドインフラ(AWS/Azure/GCP)を運用する組織、およびWindows環境を管理する情シス担当者。
推奨される防御アクション
クラウドストレージのバケット名管理とアクセス制御の再点検
ADFSの証明書ローテーションと構成ドリフトの監視
ITサポートを装う不審なリモートアクセス要求への警戒
エンドポイントにおける正規RMMツールの不正利用の監視
npm 12、インストールスクリプトの実行をデフォルトで無効化
npmバージョン12では、サプライチェーン攻撃を防ぐため、インストール時に実行されるスクリプトやリモート依存関係の解決がデフォルトで無効化されました。また、2FAをバイパスするトークンの権限が大幅に制限されます。
主要なTTP
依存関係ライフサイクルスクリプト(preinstall等)の自動実行停止
リモートURLからの依存関係解決の制限
2FAバイパス用トークンによる管理操作の禁止
トークンによる直接的なパッケージ公開の制限
対象となる組織・利用者
npmを利用してソフトウェア開発を行うエンジニアおよびDevSecOps担当者。
推奨される防御アクション
npmを最新バージョンへアップデートし、警告内容を確認する
package.jsonでのスクリプト許可リスト(allowlist)運用への移行
2FAバイパス用トークンの利用を停止し、OIDC等の信頼された公開手法へ移行する
破壊的バックドア「GigaWiper」の脅威
GigaWiperは、Go言語で記述された多機能バックドアです。侵入後に「ディスク全消去」「偽ランサムウェアによるファイル破壊」「Windowsドライブの上書き」といった破壊的コマンドを選択可能なほか、スクリーンショット撮影やVNCによる遠隔操作といったスパイ機能も備えています。
主要なTTP
OneDriveを装ったスケジュールタスク(毎分実行)の作成
RabbitMQ、Redis、MinIOを用いた正当なビジネスツールへの通信偽装
Windowsブートファイル(bootmgr等)の所有権奪取(takeown/icaclsの使用)
偽ランサムウェアによる復旧不可能なファイル暗号化
対象となる組織・利用者
特に中東地域に関連する組織や、重要インフラを運用する企業。また、Go言語ベースのマルウェアや、正当なビジネスツールを悪用した通信を検知したいセキュリティ担当者。
推奨される防御アクション
「OneDrive Update」という名称の不審なスケジュールタスクの監視
RabbitMQやRedisを利用していない端末からの当該トラフィックのブロック
エンドポイントでの改ざん防止機能(Tamper Protection)の有効化
既知のC2サーバー(185.182.193.21 / 212.8.248.104)への通信遮断
AIエージェントによる自律型ランサムウェア「JadePuffer」の観測事例
AIエージェントが脆弱性を悪用して侵入し、自律的に探索・攻撃・恐喝を行う「JadePuffer」と呼ばれるランサムウェア活動が報告されました。個別の攻撃手法自体は既知のものですが、AIがこれらを統合し、人手を介さず一連のオペレーションを完遂した点が特徴です。
主要なTTP
Langflowの認証バイパス脆弱性(CVE-2025-3248)を用いた初期侵入
MinIOのデフォルト認証情報悪用によるデータ列挙・窃取
Nacosの認証バイパス(CVE-2021-29441)およびデフォルトJWT鍵の悪用
MySQLのファイル操作機能を用いたコンテナエスケープの試行
暗号化鍵の使い捨てによる復旧不可能性
対象となる組織・利用者
Langflow、MinIO、Nacosなどのオープンソース基盤をインターネットに公開している組織や、AIエージェント開発環境を運用している組織。
推奨される防御アクション
公開されているLangflowインスタンスの最新版への更新と認証の適用
MinIO等のミドルウェアにおけるデフォルト認証情報の変更と適切なアクセス制限
Nacos等の設定基盤におけるデフォルトJWT署名鍵の変更
インターネット公開サーバーの最小化と管理インターフェースの分離
■ 注目事例
シード・プランニング、不正アクセス被害の調査結果を発表
株式会社シード・プランニングは、3月に発生したランサムウェア被害に関する調査結果を公表しました。WebアプリケーションサーバのPHP脆弱性を突かれ、ドメイン管理者権限を奪取された上でランサムウェアを実行されたと報告しています。なお、外部委託先等の顧客個人情報については流出していないと判断しています。
攻撃手法(確認済み)
外部公開されていたWebアプリケーションサーバのポートを経由し、PHPの脆弱性を悪用して侵入。その後、内部ネットワークへ展開しドメイン管理者権限を侵害。
自組織チェックポイント
外部公開しているWebアプリケーションの脆弱性管理は適切か
不要な公開ポートやサービスを閉鎖しているか
ADサーバへのアクセス権限を最小限に絞っているか
内部ネットワークへの侵入を前提とした監視・検知体制があるか
インシデント発生時のネットワーク隔離手順を策定しているか
コミュファ光、メールサービスへの不正アクセス
📰 過去報告:7/3
中部テレコミュニケーション株式会社が提供する「コミュファ光」および「ビジネスコミュファ」のメールサービスにおいて、第三者による不正アクセスが発生しました。同社は影響を受けた利用者に対し、メールパスワードの変更を呼びかけています。
7/3報告の他社事例と同様、国内ISPのメールサービスを狙った不正アクセスが発生しています。類似サービスを利用中のユーザーは、使い回しのない強固なパスワードへの変更や多要素認証の有効化を推奨します。
攻撃手法(確認済み)
メールサービスに対する第三者からの不正アクセス。具体的な侵入手法(リスト型攻撃等)については公表文からは不明。
攻撃手法(推測)
他社サービスから流出した認証情報を用いた「パスワードリスト攻撃」により、正規のID・パスワードが突破された可能性があります。
自組織チェックポイント
他社サービスと同一のパスワードを使い回していないか
パスワードは十分に長く、推測されにくい文字列か
不審なメール送信や、身に覚えのないログイン履歴がないか
メールアカウントに多要素認証(MFA)が適用可能か確認し、設定する
ドットマネー、不正アクセス被害の続報
ドットマネーは、6月8日に発生した不正アクセスに伴うサービス停止について続報を公開しました。現在もサービス再開日は未定ですが、セキュリティ強化としてSMS認証の導入を進めています。また、交換先ごとの安全性確認や、失効したポイントの再付与などの対応を行っています。
攻撃手法(確認済み)
公表文では『弊社システムへの不正アクセス』と記載されており、具体的な侵入経路や手法は明記されていません。
攻撃手法(推測)
再発防止策としてSMS認証の導入が挙げられていることから、ID/パスワードのリスト型攻撃や、漏洩した認証情報の悪用によってアカウントが乗っ取られた可能性があります。
自組織チェックポイント
外部サービスと連携しているアカウントに対し、多要素認証(MFA)を設定しているか
複数のサービスで同一のパスワードを使い回していないか
ログイン履歴や不審なアクティビティを定期的に確認しているか
サービス提供側として、認証強化(SMS認証やアプリ認証)の導入を検討しているか

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この内容は 2026-07-10 に配信されました。