2026-07-13(月)配信

セキュリティ脅威情報

■ 脅威動向
脆弱性Linux Kernelのqla2xxxにおける二重解放の脆弱性
📰 過去報告:7/10
Linuxカーネルのscsi: qla2xxxドライバにおいて、fcportの二重解放(Double Free)が発生する脆弱性が確認された。具体的には、qla24xx_els_dcmd_iocb()関数内でのエラー処理において、kref_put()による参照解放後に再度同様の解放操作が行われることで問題が発生する。この脆弱性はCVSSスコア9.8(Critical)と評価されており、攻撃者がネットワーク経由で悪用した場合、システムへの深刻な影響を及ぼす可能性があるため、早急な修正が必要である。
前回7/10に報告したLinux Kernelにおいて、新たに別の深刻な脆弱性が公表されました。システムへの影響が大きいため、利用環境におけるアップデート等の対応を推奨します。
対象ソフト
Linuxカーネルは、オープンソースのオペレーティングシステムの中核であり、サーバー、デスクトップ、組み込み機器など幅広い環境で使用されている。
影響
攻撃成功時、メモリの二重解放によりシステムクラッシュや、悪意のあるコードの実行を含む予期せぬ動作を引き起こす可能性がある。
対応策
JVN DBを参照し、修正済みの最新バージョンへアップデートすること。
脆弱性Apache Camelにおける引数インジェクションの脆弱性
📰 過去報告:7/7
Apache CamelのDoclingコンポーネントにおいて、コマンドライン引数の検証不備に起因する引数インジェクションおよびディレクトリトラバーサルの脆弱性が存在する。外部から制御可能なヘッダーを通じて、意図しないCLIフラグの注入や、制限されたディレクトリ外へのパス指定が可能となる。本脆弱性はCVSS v3スコア9.1(Critical)と評価されており、攻撃者がシステムのリソースや機密情報に不正にアクセスするリスクがあるため、早急な対応が必要である。
7/7報告の事例と同様、外部入力の検証不備に起因するディレクトリトラバーサル等の深刻な脆弱性です。影響を受けるコンポーネントを利用している場合は、早急なアップデート等の対応を推奨します。
対象ソフト
Apache Camelは、多様なシステムやプロトコル間でのメッセージルーティングやデータ変換を容易にする、Javaベースのオープンソース統合フレームワークである。エンタープライズシステムにおけるデータ連携基盤として広く利用されている。
影響
攻撃者は、細工された引数を注入することで、意図しないCLIフラグの実行や、ディレクトリトラバーサルによる不正なファイルパスへのアクセスが可能となる。これにより、機密情報の漏洩やシステムの整合性が損なわれる可能性がある。
対応策
Apache Camel 4.18.3 または 4.19.0 以降へアップグレードすること。また、信頼できない入力をヘッダーにマッピングしないようルート設計を見直すことが推奨される。
脆弱性ntopngにおける予測可能なセッション識別子による脆弱性
📰 過去報告:7/7
ntopng 6.6までのバージョンにおいて、セッション識別子の生成処理に脆弱性が存在する。具体的には、HTTPセッション識別子の生成時に、時間に基づく弱い疑似乱数を使用している。このため、攻撃者が認証ログインのタイミングを制御することで、推測可能なセッションクッキーを取得できる可能性がある。本脆弱性はCVSSスコアが9.8と非常に高く、認証を回避してセッションを乗っ取られるリスクがあるため、極めて重大である。
7/7報告のWebSphereの事例と同様、セッション乗っ取りにつながる深刻な脆弱性です。認証回避のリスクが極めて高いため、対象製品を利用している場合は速やかなアップデート等の対策が推奨されます。
対象ソフト
ntopngは、ネットワークトラフィックの可視化や監視を行うためのオープンソースのトラフィック分析ツールであり、ネットワーク管理者が通信状況を把握するために利用される。
影響
攻撃者がセッションクッキーを推測・取得することで、正規ユーザーになりすますセッションハイジャックが可能となり、システムへの不正アクセスや機密情報の漏洩、操作が行われる恐れがある。
対応策
JVN DBを参照し、修正済みの最新バージョンへアップデートすること。
脆弱性Apache Airflowにおけるリモートコード実行の脆弱性 (CVE-2026-33264)
📰 過去報告:7/6, 7/8
Apache Airflowの `BaseSerialization.deserialize()` メソッドに、信頼できないデータのデシリアライゼーションに関する脆弱性が存在します。攻撃者は、シリアライズされたDAGを読み込むプロセスを悪用し、任意のクラスをインポートさせることで、APIサーバーやSchedulerプロセス上でリモートコード実行(RCE)を行うことが可能です。これにより、本来DAG作成者がアクセスできないはずのセキュリティ境界を突破され、システムが乗っ取られるリスクがあります。
7/6に報告したPrefectの事例と同様、ワークフロー管理ツールにおける深刻なリモートコード実行の脆弱性です。開発・運用環境における入力値の検証やセキュリティ境界の再確認を推奨します。
対象ソフト
Apache Airflowは、複雑なデータパイプラインやワークフローをプログラムで作成、スケジュール、監視するためのオープンソースプラットフォームです。データエンジニアリングや機械学習のパイプライン管理において広く利用されています。
影響
攻撃が成功した場合、APIサーバーやSchedulerプロセス上で任意のコードが実行され、システムの完全な制御権を奪取される恐れがあります。
対応策
Apache Airflowをバージョン3.3.0以降へアップグレードすること。また、多層防御策として、DAG作成者の信頼度が限定される環境では、設定ファイルにて `[core] allowed_deserialization_classes` を最小限の許可リストに制限することが推奨される。
脆弱性Cisco Identity Services Engineにおけるパストラバーサルの脆弱性
📰 過去報告:7/11
Cisco Identity Services Engine (ISE) に、入力検証の不備に起因するパストラバーサルの脆弱性が存在します。認証済みのリモート攻撃者が、特別に細工されたHTTPリクエストを送信することで、基盤となるOS上で任意のコマンドを実行できる可能性があります。攻撃には読み取り専用管理者以上の権限が必要ですが、悪用に成功するとOSのユーザーレベルアクセスを取得し、さらにroot権限への昇格が可能です。また、単一ノード構成ではサービス拒否(DoS)状態を引き起こし、ネットワークアクセスが遮断される恐れがあるため、極めて重大な脆弱性です。
7/11報告の事例と同様、入力検証の不備を突きOSコマンドを実行される深刻な脆弱性です。特権昇格やDoSのリスクがあるため、Cisco ISEを利用中の環境ではパッチ適用などの対応を推奨します。
対象ソフト
ネットワークアクセス制御や認証
認可
アカウンティング(AAA)を管理するための企業向けセキュリティプラットフォーム。
影響
攻撃成功時、基盤OSでの任意コマンド実行、root権限への昇格、およびサービス拒否(DoS)状態によるネットワークアクセスの停止が発生する。
対応策
JVN DBを参照し、シスコシステムズが提供する最新の修正済みバージョンへアップデートすること。
脆弱性KerasのLambdaレイヤーにおける任意のコード実行の脆弱性
Keras バージョン 3.14.0 において、Lambda レイヤーの逆シリアライズ処理に不備が存在する。具体的には、`safe_mode` が `None` に設定されている場合にセーフモードガードが適切に適用されず、攻撃者が制御する `marshal` バイトコードの逆シリアライズを許してしまう。`keras.layers.deserialize` や `keras.models.clone_model` 等の関数が影響を受け、攻撃者は細工された設定ファイルを読み込ませることで、サーバーやユーザープロセスの権限で任意のコードを実行可能である。CVSSスコアが9.8と極めて高く、深刻な影響を及ぼす脆弱性である。
対象ソフト
Kerasは、深層学習モデルの構築とトレーニングを容易にするための高水準ニューラルネットワークAPIであり、データサイエンスやAI開発の現場で広く利用されている。
影響
攻撃成功時、サーバーまたはユーザープロセスのコンテキスト内で任意のOSレベルのコードが実行され、システムの乗っ取りやデータ改ざん、情報漏洩が発生する可能性がある。
対応策
JVN DBを参照し、修正済みの最新バージョンへアップデートすること。また、信頼できないソースからのモデル設定を読み込まないよう注意が必要である。

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■ 注目事例
三重県、庁内USBメモリ調査でマルウェア検知
📰 過去報告:7/8
三重県は庁内のUSBメモリ約1万個を調査し、47個からマルウェアを検知したと発表しました。いずれも活動は確認されず、実被害はありませんでした。過去のメールデータや外部端末利用時の混入が主な原因とされています。
7/8 報告の陸上自衛隊の事例と同様、組織内でのUSBメモリ管理やウイルスチェックの不徹底によるマルウェア検知が続いています。物理媒体の利用ルールとセキュリティ対策の再確認が推奨されます。
攻撃手法(確認済み)
過去に保存したメールデータへの添付ファイル経由、および外部端末での使用時に混入。
自組織チェックポイント
業務でのUSBメモリ使用の必要性を再評価し、数を最小限に絞っているか
私物USBメモリの利用を禁止し、管理を徹底しているか
外部から受け取ったUSBメモリを隔離環境でスキャンする手順があるか
職員に対し、USBメモリ利用時のウイルスチェック手順を周知しているか
🔄 [続報] 教材販売サイトで不正アクセス、約17万件の個人情報流出か
📰 過去報告:7/11
京都芸術大学が利用するデジタル教材販売サイト「アカデミコナビ」において、第三者による不正アクセスが発生しました。運営元の加賀ソルネットによれば、最大約17万件のユーザー登録情報が漏えいした可能性があるとのことです。
7/11報告の加賀ソルネットへの不正アクセスの続報。同社運営の教材販売サイトにおいて、京都芸術大学の利用者を含む最大約17万件の個人情報が漏洩した可能性が新たに公表されました。
攻撃手法(確認済み)
公表情報からは不明です。
攻撃手法(推測)
Webサイトの脆弱性を突いた攻撃、あるいはリスト型攻撃(パスワードリスト攻撃)などの可能性があります。
自組織チェックポイント
同一のパスワードを複数のWebサービスで使い回していないか
パスワード管理ツール等を利用してサービスごとに異なるパスワードを設定しているか
利用しているWebサービスで多要素認証(MFA)が提供されている場合、有効化しているか
アイネックス社、不正アクセスによる情報流出の可能性
朝日放送テレビのグループ会社である株式会社アイネックスにおいて、従業員のメールアカウントへの不正ログインが確認されました。当該アカウントおよび連携するクラウドサービスが被害を受け、顧客情報等が閲覧された可能性があります。
攻撃手法(確認済み)
従業員1名のメールアカウントへの第三者による不正ログイン。および連携するクラウドサービスへの不正アクセス。
攻撃手法(推測)
パスワードリスト攻撃やフィッシング等により認証情報が窃取され、MFA(多要素認証)が未導入または突破されたことでログインされた可能性があります。
自組織チェックポイント
全てのクラウドサービス利用において多要素認証(MFA)を有効化しているか
パスワードの使い回しを禁止し、強力なパスワードポリシーを運用しているか
外部への不審なメール送信を検知する仕組みがあるか
クラウドサービスのアクセスログを定期的に監視しているか
テレビ朝日メディアプレックス、不正アクセスによる情報漏えい
📰 過去報告:7/12
株式会社テレビ朝日メディアプレックスは、同社サーバへの不正アクセスにより、個人情報を含む情報が漏えいした可能性があると公表しました。4月28日に不正アクセスの兆候を確認後、サーバ停止等の対応を行い、外部専門機関による調査が進められています。
7/12報告の他社事例と同様、不正アクセスによる情報漏洩の懸念が生じています。不正アクセスの兆候検知後の迅速なサーバ停止や外部調査など、初期対応の重要性を示す事案です。
攻撃手法(確認済み)
公表情報からは不明です。サーバへの不正アクセスがあったことのみが示されています。
攻撃手法(推測)
VPN機器や公開サーバの脆弱性を突いた侵入、あるいは認証情報の窃取による不正ログインの可能性があります。
自組織チェックポイント
公開サーバやVPN機器の脆弱性管理は徹底されているか
管理者アカウントへの多要素認証(MFA)は導入されているか
サーバのログ監視を行い、異常なアクセスを検知できる体制にあるか
侵害発生時にネットワークを迅速に遮断する手順が確立されているか

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