2026-07-25(土)配信

セキュリティ脅威情報

■ 要対応(緊急度が高く、多くの組織で対応が必要な事案)
ManageEngine ADAudit Plusに深刻な脆弱性
Zohoが提供する「ManageEngine ADAudit Plus」のエージェント向けAPIに、認証回避およびパストラバーサルの脆弱性(CVE-2026-6516)が判明しました。CVSSv3.1のベーススコアは最高値の10.0(クリティカル)と評価されており、ベンダーはすでにビルド8606で修正をリリースしています。
なぜご自身の組織で確認すべきかManageEngine ADAudit PlusにCVSS 10.0の深刻な認証回避・RCE脆弱性が判明し、速やかなパッチ適用が必要なため。

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■ 脅威動向
AIエージェントがRedisの複数のゼロデイ脆弱性とRCE実証コードを発見
AIエージェントを活用した研究により、Redisのデータ復元処理(RESTORE)やRedisBloomモジュールにおける複数のメモリ破損・領域外書き込みの脆弱性が発見されました。認証された状態からリモートコード実行(RCE)に至るPoCが公開されています。
主要なTTP
RESTOREコマンドを通じた不正なRDBオブジェクトの処理
Redis Streamsの共有NACK(streamNACK)に起因する二重解放(Use-After-Free)
RedisBloom(TDigest)ローダーにおける領域外書き込み(Out-of-Bounds Write)
悪意ある細工によるシステム関数(system())の呼び出し
対象となる組織・利用者
社内システムやクラウド環境でRedis(特にRedis 6.x、7.x、8.x系の該当バージョン)を運用している組織。
推奨される防御アクション
利用しているRedisのブランチに応じた修正済みリリースへの早急なアップデート
厳格なアクセス制御による不要なネットワークからの隔離
厳密な権限管理による、厳密に必要とされないアカウントからのRESTOREコマンド権限の剥奪
「BIND 9」にキャッシュ汚染など複数脆弱性
DNSサーバーソフトウェア「BIND 9」において、ゾーン横断型のキャッシュポイズニングやサービス拒否(DoS)を引き起こすおそれのある複数の脆弱性が発見されました。合計9件の脆弱性が存在し、そのうち7件は重要度が「高」と評価されています。
主要なTTP
NSECレコードの不正な受け入れによるゾーン横断型キャッシュポイズニング(CVE-2026-13321)
RRSIGのラベル数とワイルドカード処理の不整合によるキャッシュポイズニング(CVE-2026-11721)
ワイルドカードCNAMEポリシーを含むRPZルールのバイパス(CVE-2026-11331)
サービス拒否(DoS)を引き起こす複数の脆弱性
対象となる組織・利用者
自社環境や公開サービスにおいて「BIND 9」を利用したDNSサーバーを運用している組織。
推奨される防御アクション
ISCから提供されているセキュリティアップデートを適用し、BIND 9を速やかに修正版へバージョンアップする
利用中のブランチに対する各アドバイザリの内容を確認する
AD CS脆弱性「Certighost」:低権限ユーザーのDCなりすまし手法
Active Directory証明書サービス(AD CS)のエンロールメント処理における不適切な承認不備(CVE-2026-54121)の解説です。低権限のドメインユーザーが悪用してドメインコントローラーになりすまし、DCSync等により機密情報を取得できる手法が含まれています。
主要なTTP
AD CSのエンロールメントフォールバック(chase)時の不十分な検証
不正なLSAおよびLDAPサービスを通じた認証チャレンジの不正中継
PKINITを用いたドメインコントローラーとしてのKerberos認証
DCSyncを通じたkrbtgt等のシークレット情報の取得
対象となる組織・利用者
エンタープライズCAを運用し、Active Directory環境を持つ組織。
推奨される防御アクション
Microsoftが提供する7月14日のセキュリティ更新プログラムをAD CSホストに適用する
緊急のパッチ適用が困難な場合は、回避策としてchaseフラグをクリアし証明書サービスを再起動する(※本番適用前に十分な検証を推奨)
UAC-0099、偽Notepad++プラグインでマルウェア展開
📰 過去報告:7/20
ロシア関連の攻撃グループUAC-0099が、正規のエディタ「Notepad++」のプラグインを偽装したマルウェア(LUNCHPOKEおよびMATCHBOIL.V2)を展開するキャンペーンを展開しています。フィッシングメールから誘導され、不正なDLLやローダーを通じてバックグラウンドで悪意ある活動を実行します。
7/20 報告の事例(UAC-0145)に続き、ロシア関連攻撃グループによるサイバー攻撃が観測されています。不審なメールの添付ファイルや実行ファイルには引き続き警戒が必要です。
主要なTTP
フィッシングメールによる偽PDF(VBScript)の実行
正規アプリケーション(Notepad++)を悪用したサイドロード(DLLハイジャック)
スケジュールタスクによる3分ごとの永続化設定
BURNYBEARローダーを用いたMATCHBOIL.V2の実行
引数未指定時にリソースを枯渇させるフェイルセーフ機能
対象となる組織・利用者
Windows端末を業務利用し、Notepad++やWinRAR、7-Zipなどのサードパーティ製ツールを導入している組織。
推奨される防御アクション
Notepad++、WinRAR、7-Zip等のソフトウェアを常に最新バージョンにアップデートする
不審なメール添付ファイルや短縮URL経由のアーカイブダウンロードをブロックする
エンドポイントでの不審なスケジュールタスクや予期せぬリソース消費プロセスの監視
Golden Chickens、4つの新マルウェアとモジュール型へ進化
Golden Chickens(TAG-195)のMaaSエコシステムが刷新され、静的検出を回避するためにモジュール型構造を採用した4つの新しいマルウェアファミリー(TinyEgg、ChonkyChicken、そのモジュール版、ChromEggscalator)が展開されています。
主要なTTP
ClickFixなどのソーシャルエンジニアリングを悪用した手動での初期コマンド実行
WebSocketを用いたC2サーバーとの通信およびバックドア設置
コントローラーとプラグインの分離構造による、必要に応じた14の機能モジュールの動的ロード
ChromEggscalator等によるブラウザ認証情報やセッションデータの窃取
対象となる組織・利用者
Windows環境やブラウザを日常的に利用する組織、および不審なソーシャルエンジニアリング誘導(ClickFix等)のリスクがあるエンドポイントを管理する組織。
推奨される防御アクション
ユーザーに対する不審なコマンド実行を促す手口(ClickFix等)についての注意喚起
EDR製品等を用いたエンドポイントでの異常プロセス実行や不審なC2通信の監視
ブラウザの拡張機能や認証情報保護対策の強化
ChatGPTの脆弱性AgentForger、フィッシングで悪意あるAIエージェント作成の恐れ
OpenAIのChatGPT Workspace Agentsにおける脆弱性「AgentForger」は、URLパラメータに含まれる初期プロンプトが自動実行されるクロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)の一種です。攻撃者は悪意あるリンクを踏ませることで、ユーザーの既存の外部サービス連携(メールやチャット等)を自動承認・無人化された自律型AIエージェントに紐付け、持続的な情報窃取や内部不正行為を行わせることが可能です。
主要なTTP
URLパラメータを介した悪意あるプロンプトの自動送信・実行
Workspace Agentsの既存コネクタ(Outlook、Gmail、Slack等)の無断アタッチ
コネクタの確認プロンプトを「Never ask(確認なし)」に設定
定期実行スケジュール(毎時実行)による持続的アクセスの確立
メールの「TASK」指示に基づくコマンド実行と外部への情報持ち出し
対象となる組織・利用者
業務においてChatGPT Workspace AgentsやAIエージェント機能を利用し、メールやチャット、クラウドストレージ等のエンタープライズアプリと連携させている組織。
推奨される防御アクション
生成AIツールと社内業務アプリの連携範囲や自動承認設定(ユーザー確認の有無)の定期的な監査
AIプラットフォームにおけるURLパラメータ等の入力値処理に関するセキュリティ動向の把握
社内ユーザーに対するAIツールを悪用したフィッシングリンクへの注意喚起
BlueNoroff、Zoom偽装フィッシングキットで暗号資産ウォレットを事前プロファイリング
北朝鮮籍とみられる脅威グループ「BlueNoroff」が展開する、ビデオ会議サービス(ZoomやMicrosoft Teams)を装った高度なフィッシングキットおよびClickFix型攻撃キャンペーンの概要。信頼関係のある実在の知人や乗っ取られたTelegramアカウントを初期接点として利用し、標的のブラウザから暗号資産ウォレットの拡張機能やTelegramセッション情報を探査・窃取した上で、マルウェアを展開します。
主要なTTP
信頼関係のある連絡先やハイジャックされたTelegramアカウント経由での初期接触
タイポスクワッティングドメインおよびCalendlyを活用した偽のZoom/Teams会議への誘導
WebRTCを介した不審なWebカメラ映像の送信およびAI生成ヘッドショットの悪用
ブラウザプロファイルからのTelegramセッションファイルおよび暗号資産ウォレット拡張機能の列挙・探索
Windows(PowerShell/VBScriptによるMicrosoft Defender回避・除外設定)およびmacOS(偽インストーラによる情報窃取)に対応したClickFix型ペイロードの実行
対象となる組織・利用者
暗号資産、Web3、金融関連企業、ベンチャーキャピタル、および経営層や対外折衝を担当する従業員を抱える組織。
推奨される防御アクション
ビデオ会議ツールの利用時に「SDKアップデート」や「マイクの不具合修正」を口実にコマンド実行やスクリプト入力を促す手口(ClickFix)について従業員へ注意喚起を行う
信頼できる知人からの連絡であっても、不審なリンクや見慣れないミーティングURLへのアクセスを厳しく制限する
ブラウザの拡張機能のインストール制限や、エンドポイントでの不審なPowerShell・スクリプト実行の検知・ブロック体制を強化する
Telegram等のビジネス外チャットツールにおけるアカウント乗っ取り対策(多要素認証の徹底等)を実施する
■ 注目事例
タイ大蔵省への侵入でAIエージェントが無人悪用される
タイの大蔵省ネットワークにおいて、オープンソースのAIアシスタント「Hermes」の機能が悪用され、侵入後の探索や権限昇格の試みが自動実行されたことが判明しました。攻撃者は確認プロンプトを無効化する「YOLOモード」でエージェントを無人稼働させ、公開されたログから詳細な攻撃ツールや痕跡が発見されました。
攻撃手法(確認済み)
攻撃者は事前にネットワークへ侵入し、隠しウェブシェルを設置していました。その後、内部のHadoopクラスター(HiveServer2)への接続や、脆弱性探索スクリプト(LinPEAS等のカスタマイズ版)を用いて権限昇格を試みました。
攻撃手法(推測)
初期侵入においては、デフォルト認証の不備があるHadoopサービスや、公開ウェブサーバーの脆弱性が悪用された可能性があります。また、権限昇格にはLinuxカーネルの既知の脆弱性が狙われたと考えられます。
自組織チェックポイント
内部データベースサービス(Hadoop/HiveServer2等)でデフォルト認証が有効になっていないか
AIアシスタントや自動化ツールを検証なしで権限の高い環境に導入していないか
ウェブサーバー等の公開ディレクトリに内部ログや実行結果が出力・露見していないか
サーバーのファームウェアやLinuxカーネルに最新パッチが適用されているか
あすか製薬、元従業員による従業員リスト持出が発覚
あすか製薬ホールディングスは、あすか製薬の元従業員が退職時にグループの従業員リストを社外へ持ち出していたと発表しました。再就職先のパソコンが侵害されたことに伴う調査から発覚したもので、端末に対するフォレンジック調査ではリストの閲覧やダウンロードの痕跡は確認されていないとしています。
攻撃手法(確認済み)
退職者が在職時に個人的に管理していた従業員リストを退職後も再就職先の端末に持ち出し、その再就職先のパソコンが侵害されたことで発覚しました。
攻撃手法(推測)
元従業員の私物管理や再就職先の端末へのデータ移行を通じて、業務データの持ち出しやシャドーIT的な環境での保管が行われていた可能性があります。
自組織チェックポイント
従業員が業務データを個人の端末やクラウド環境で管理していないか
退職時の情報資産の返却やデータ消去の確認プロセスが徹底されているか
業務端末からの外部メディアや私用ストレージへのデータ持ち出しが制限されているか
情報漏洩対策ソフトやDLP(データ損失防止)ツールが導入されているか
SuMPO、外部不正アクセスでサイト文書閲覧不可に
一般社団法人サステナブル経営推進機構(SuMPO)は、環境ラベルプログラムのウェブサイトにおいて外部からの不正アクセスが確認され、一部の掲載文書が閲覧・ダウンロードできない状態になっていると公表しました。なお、EPD関連システムへの影響や登録情報の漏洩は確認されていないとしています。
攻撃手法(確認済み)
公表文では「外部からの不正アクセス」により「一部の掲載ファイルが影響を受けた」とされていますが、具体的な侵入経路や手法については明記されていません。
攻撃手法(推測)
ウェブサイトを対象とした攻撃であることから、CMS(WordPress等)の脆弱性悪用や、管理者アカウントへの認証突破、あるいはアップロード機能等を悪用した不正ファイルの設置などの可能性があります。
自組織チェックポイント
自社で運用するウェブサイトやCMS、プラグインに既知の脆弱性が放置されていないか
Webサーバや管理画面へのアクセス制限(IP制限や多要素認証)が適切に実施されているか
Webサイトの改ざんや不正アクセスの兆候を検知するモニタリング体制が整っているか
定期的なバックアップが取得され、万が一の改ざん時に迅速に復旧できる体制にあるか
愛のタクシーチケット、加盟事業者の不正アクセスに伴うご請求遅延見込を発表
愛のタクシーチケット株式会社は、加盟タクシー事業者である日本交通株式会社において外部からの不正アクセス(マルウェア感染)によるシステム停止が発生したと公表しました。これに伴い、同社からのチケット受け渡しおよび会員へのご請求に遅延が生じる見込みです。
攻撃手法(確認済み)
加盟先である日本交通株式会社における外部からの不正アクセスおよびマルウェア感染によるシステム停止。
自組織チェックポイント
サプライチェーン(取引先・加盟事業者)のシステム障害やセキュリティインシデントが自社の業務継続に与える影響を把握しているか
取引先からのデータ連携や請求業務が停止した際の代替手順を検討しているか
自社から外部の取引先・パートナー企業への接続経路や認証管理に脆弱性がないか点検しているか
■ レポート・解説
AIエージェントの安全性確保、可視化から権限・意図の制御へ
企業内で急増するAIエージェントのセキュリティについて、単なる存在確認(可視化)だけでは不十分であり、エージェントが持つ権限や実行する意図を制御・統制するプラットフォームの必要性を解説しています。

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この内容は 2026-07-25 に配信されました。