2026-08-11(火)配信

セキュリティ脅威情報

■ 脅威動向
脆弱性アドビのAdobe CampaignにおけるSQLインジェクションの脆弱性
📰 過去報告:8/4, 8/7
Adobe Campaign Classic(ACC)において、SQLコマンドで使用される特別な要素が適切に無力化されない不備に起因するSQLインジェクションの脆弱性が存在する。遠隔の攻撃者はネットワーク経由でユーザーの操作を必要とせずに対象アプリケーションへアクセスし、任意のSQLコマンドを実行することが可能となる。本脆弱性はCVSS v3.0基本値が10.0(Critical)と極めて深刻であり、アプリケーションに対する特権の昇格や制御権の奪取につながるおそれがある。
8/7報告分などに続き、CVSS基本値が極めて高い深刻な製品脆弱性が公表されています。該当システムを利用中の場合は早期の影響確認と対応を推奨します。
対象ソフト
マーケティング担当者がマルチチャネルのキャンペーンを管理・実行するために広く利用されているエンタープライズ向けのマーケティング自動化プラットフォームである。
影響
攻撃者によって任意のSQLコマンドを実行され、現在のユーザーコンテキストでのコード実行、アプリケーションへの昇格アクセス、およびシステム全体の制御権を取得されるおそれがある。
対応策
JVN DBを参照し、アドビから提供されている最新の修正済みバージョンへアップデートを適用すること。
脆弱性Oracle Databaseにおけるネットワーク経由の重要機能の認証欠如に関する脆弱性
📰 過去報告:8/7, 8/4
Oracle Database ServerのOracle Net Servicesコンポーネントにおいて、重要な機能に対する認証の欠如に関する脆弱性が存在する。影響を受けるサポート対象バージョンは19.3から19.31、21.3から21.22、および23.4.0から23.26.2である。容易に悪用可能な脆弱性であり、認証されていない攻撃者がネットワーク経由でOracle Netを介してアクセスを行い、Oracle Net Servicesを侵害することが可能である。CVSS v3.1の基本スコアは9.1(Critical)と評価されている。
8/7報告などOracle製品に関する重大な脆弱性の公表が続いています。自社で運用中のOracle製品がある場合は、影響を受けるバージョンや修正パッチの適用状況をご確認ください。
対象ソフト
Oracle Databaseは、企業や組織の基幹系システムや大規模データベースで広く利用されているリレーショナルデータベース管理システムである。
影響
攻撃が成功した場合、重要なデータへの不正アクセスが発生したり、アクセス可能なすべてのOracle Net Servicesのデータに完全にアクセスできるようになったり、サービスがハングまたは頻繁にクラッシュする完全なサービス拒否(DoS)状態に陥るおそれがある。
対応策
JVN DBを参照し、ベンダーから提供されている最新のセキュリティパッチ適用やアップデートを実施すること。
脆弱性PostCSSにおける任意のファイル読み込みおよびサービス運用妨害の脆弱性
PostCSSのバージョン8.5.11およびそれ以前には、ソースマップの処理に関する不備に起因する複数の脆弱性が存在する。PreviousMapがprocess()に渡された任意のCSS文字列からコメントを解析し、適切な検証を行わずにローカルファイルシステムを参照してしまう。攻撃者がCSS入力を制御できる場合、ホストプロセスがNodeで読み取り可能な任意のファイルを読み込み、その内容の一部をエラーメッセージ経由で漏洩させることが可能である。また、ファイルの存在確認オラクルや大きなファイルをターゲットにしたサービス運用妨害(DoS)攻撃にも悪用されるおそれがある。本件はバージョン8.5.12にて修正されている。
対象ソフト
PostCSSは、CSSファイルを受け取り抽象構文木(AST)に変換して解析・変更するためのJavaScript製ツールであり、Web開発のビルドパイプラインなどで広く使用されている。
影響
攻撃者により任意のファイルの内容が漏洩するほか、ファイルの存在確認やサービス運用妨害(DoS)攻撃を引き起こされる可能性がある。
対応策
ベンダーより提供されている修正済みバージョン(バージョン 8.5.12 以降)にアップデートすること。
脆弱性Request TrackerのREST 2.0 APIにおける情報漏洩および権限昇格の脆弱性
Best Practical Solutionsが提供するRequest Trackerには、REST 2.0 APIに情報漏洩および権限昇格の脆弱性が存在する。管理者ではない権限を持つユーザーが、他のユーザーや管理者権限を持つユーザーの認証情報を不正に取得し、フィードエンドポイント経由で対象ユーザーとしてデータを読み取ることが可能である。また、同一リクエストにより認証情報が露出すると認証情報がローテーションされ、インスタンス全体で以前に配布されたフィードURLが無効化される影響が生じる。この問題はバージョン5.0.10および6.0.3にて修正されている。
対象ソフト
Request Trackerは、組織の課題管理やサポート業務、問い合わせ対応などに広く利用されるエンタープライズ向けのオープンソース課題・チケット追跡システムである。
影響
攻撃者によって管理者を含む他のユーザーの認証情報が取得され、対象ユーザーになりすまして機密データの読み取りなどの操作が行われるおそれがある。さらに、認証情報のローテーションに伴い、システム全体で既存のフィードURLが無効化される影響が発生する。
対応策
ベンダーより提供されている修正済みバージョン(バージョン 5.0.10 または 6.0.3 以降)へアップデートすること。
脆弱性クアルコムの複数製品におけるバッファオーバーフローの脆弱性
クアルコムのAR8035 ファームウェアおよびその他の複数製品において、スタックベースのバッファオーバーフローの脆弱性が存在する。無効な長さの値を持つ特定のNANサービスディスカバリーフレームにおいて、デバイス機能拡張属性の処理時にメモリが破損する問題が発生する。攻撃者によって、機密情報の窃取やシステムの乗っ取り、サービス運用妨害などの深刻な影響を受ける危険性があるため、早急な対策が必要とされる。
対象ソフト
クアルコムが提供するネットワーク機器向けのファームウェア製品であり、各種通信デバイスや組み込みシステムにおいて広く利用されている。
影響
攻撃者によりメモリが破損させられ、機密情報の漏洩、システムの整合性破壊、あるいはサービス運用妨害(DoS)を引き起こされる可能性がある。
対応策
ベンダーから提供される情報やアップデートを参照し、ファームウェアの適用など適切な対策を実施すること。
脆弱性Google Chromeにおける解放済みメモリの使用に関する脆弱性
📰 過去報告:8/6
Linux 用 Google Chrome の Aura コンポーネントにおいて、解放済みメモリの使用(Use-after-free)に関する脆弱性が存在する。リモートの攻撃者が、ユーザーに細工された HTML ページを閲覧させることで、ブラウザのサンドボックス機能を脱出してシステム上で任意のコードを実行するなどの不正な操作を行うおそれがある。Chromium のセキュリティ評価では「重大」に分類されている。
8/6 報告と同じ Google Chrome について、別の脆弱性が公表されました。利用環境におけるアップデート状況の確認を推奨します。
対象ソフト
Google Chromeは世界中で広く利用されているクロスプラットフォームのウェブブラウザであり、個人から企業までの幅広いユーザーのインターネット閲覧環境を支えている。
影響
攻撃者にサンドボックスを脱出され、機密情報の窃取やシステムの改ざん、サービス運用妨害などの重大な被害を受けるおそれがある。
対応策
ベンダーが提供する情報をもとに、Google Chromeを最新の安全なバージョンへアップデートすること。
悪質なVS Code拡張機能「Solidity Pro」に注意
開発者向けオープンソースエコシステムやIDE拡張機能(VS Codeなど)を標的とした不正な拡張機能・パッケージのキャンペーン事例です。難読化や遅延実行、初期のクリーンなバージョンによる信頼獲得手法を用いて、マーケットプレイスの審査や静的スキャンを回避し、認証情報や暗号資産ウォレットの窃取を行います。
主要なTTP
マーケットプレイスの審査や静的スキャンを回避するための高度な難読化
信頼を獲得した後のアップデートによるマルウェア配信(サプライチェーン型の手口)
数時間から数日遅らせて悪意あるコードを有効化する遅延アクティベーション
TelegramやCloudflare Workersを利用したデータの外部流出
対象となる組織・利用者
VS Codeなどの開発環境やオープンソースの拡張機能を利用する開発者、および社内開発環境を管理する情シス・セキュリティ担当者。
推奨される防御アクション
不審な拡張機能(solidity-proなど)の即時削除と依存関係の点検
マーケットプレイスからの拡張機能インストールにおける信頼性の厳格な確認
エンドポイントにおける不審なスクリプト実行(cmd、powershell、mshta等)の監視・ブロック
既知のC2ドメインや不正通信のフィルタリング
Head Mare、TrueConfサーバーの脆弱性を悪用
脅威グループ「Head Mare」がTrueConfサーバーの脆弱性チェーン(KLCERT-26-057およびKLCERT-26-058)を悪用し、権限昇格やウェブシェル設置を経て、クライアントインストーラーを改ざんしてマルウェアを配布する手法です。
主要なTTP
デフォルトで開いているTCPポート4307を介したサーバーへの接続
脆弱性チェーンによる隔離環境からの脱出とSYSTEM権限での任意コード実行
ウェブシェルの設置による持続的なリモートアクセスの確保
分割されたDLLモジュールやOneDriveを利用したC2通信によるEDR回避
lsassのメモリダンプ取得やSSHリバーストンネルの確立
対象となる組織・利用者
TrueConfサーバー製品を導入・運用している組織。
推奨される防御アクション
TrueConfサーバーを最新のパッチ適用済みバージョン(5.3.9、5.4.9、5.5.5以降)にアップデートする
不要な外部からのTCPポート(4307等)の露出を制限する
EDR製品を活用し不審なプロセス動作やPowerShellの実行を監視する
パスキーの保護をバイパスする新たな攻撃手法
暗号アルゴリズムそのものを破るのではなく、OSやブラウザ、クラウド認証基盤(Microsoft Entra IDやGoogle Password Manager)の実装上の不備を突くことで、フィッシング耐性のあるパスキーやWindows HelloによるMFA保護を回避・悪用する新しい攻撃手法が複数公開されました。
主要なTTP
Windowsイベントログサービスの情報漏洩脆弱性(CVE-2026-34348)を利用した過去のYubiKey署名の再利用
Google Chromeのプロセスメモリやログに残る秘密鍵・同期用マスターキー(Security Domain Secret)の悪用
マルウェアによる、追加のPINや生体認証プロンプトを要求しないWindows Hello for Business鍵の不正利用
Microsoft Entra IDのWebAuthnチャレンジにおける検証不備を突いたリプレイ攻撃
対象となる組織・利用者
Microsoft Entra IDやWindows Hello for Business、Google Chrome(Google Password Manager)を利用してフィッシング耐性MFAやパスキー運用を行っている組織。
推奨される防御アクション
Windows対象システムに対する CVE-2026-34348 のセキュリティパッチの迅速な適用
WebAuthnアサーションを受け取るサービス側でのユーザー検証(User Verification)要件の厳格な強制
エンドポイント上でのパスキーストア、復元フロー、ブラウザメモリに対する監視とセキュリティ対策の強化
Entra ID環境における、デバイス識別子を伴わない不審なWindows Hello for Business認証や予期せぬデバイス登録の監視
北朝鮮ハッカー集団Kimsuky、オフラインAI環境を構築
国家支援型の攻撃グループが、公開のクラウド型AIサービスに依存せず、独自のオフラインサーバー環境にローカルLLM(Ollama、GPT4All、Msty)やRAG(Retrieval-Augmented Generation)ツール、開発ライブラリを組み込んで攻撃ワークフローを効率化しようとしている動向です。
主要なTTP
OllamaやGPT4All等を用いたローカル環境でのLLM運用
LocalDocs(RAG)を活用した内部所有ドキュメントとAIの連携
LLaMaSharpやMicrosoft Semantic Kernel等によるC#/.NETマルウェアへのAI機能組み込み
GitHubリポジトリをC2チャネルとして悪用する感染チェーン(Operation GitPower)
対象となる組織・利用者
標的型攻撃やスピアフィッシングを受けるリスクのある政府機関、研究機関、および一般企業のセキュリティ担当者。
推奨される防御アクション
メールの文面の不自然さ(翻訳のぎこちなさや誤字)だけでなく、端末上の挙動(LNKファイルの実行、PowerShellの動作、不審なスケジュールタスク)を監視する
GitHub等への不審なアウトバウンド通信や、後続のペイロード活動を相関的に検視できるようにSIEMやEDRのルールを調整する

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■ 注目事例
🔄 [続報] ハリマ化成、子会社ECの不正アクセスで情報漏洩確認
📰 過去報告:8/7
ハリマ化成グループは、子会社が利用するECプラットフォームに対する不正アクセス事案に関し、利用客の個人情報およびクレジットカード情報の漏洩が確認されたと発表しました。これは利用している外部プラットフォームのシステムに対する不正アクセスの影響によるものです。
8/7報告の続報。漏洩の可能性としていた事案において、顧客の個人情報およびクレジットカード情報の漏洩が確認されたと発表されました。
攻撃手法(確認済み)
株式会社Eストアーが提供するECプラットフォーム(システム)に対する不正アクセスに起因しています。自社インフラではなく外部サービスを介したインシデントであり、具体的な手口の詳細については公表文に明記されていません。
攻撃手法(推測)
ECプラットフォームの脆弱性を突いた攻撃、あるいはサプライチェーンを狙った共通基盤への不正アクセスの可能性があります。
自組織チェックポイント
自社が利用している外部SaaSやECプラットフォーム等のサプライチェーンにおけるセキュリティインシデントの告知状況を定期的に確認しているか
外部サービスに登録している顧客情報やクレジットカード情報の保有リスクを把握し、必要最小限に留めているか
プラットフォーム側からセキュリティに関する注意喚起やアップデート情報があった際の速やかな連携体制が構築されているか
RIZAP、オンラインストアに不正スクリプト
📰 過去報告:8/4, 8/5, 8/6, 8/8
RIZAP株式会社は、運営する「APORITOオンラインストア」において、第三者による不正スクリプトの設置を確認したと発表しました。これにより、顧客の個人情報およびクレジットカード情報が外部へ流出した可能性があります。同社はサイトを一時閉鎖し、対象者に個別連絡を行うとともに、調査会社および個人情報保護委員会等へ対応を進めています。
8/4以降相次ぐECサイトでの情報漏洩事例と同様、オンラインストアでの不正スクリプト設置による流出可能性が公表されました。自社管理サイトの安全確認を推奨します。
攻撃手法(確認済み)
第三者による悪意ある不正スクリプトがオンラインストアのシステム内に設置され、不審な外部送信プログラムとして発見されました。
攻撃手法(推測)
ECサイトの脆弱性を突いた不正アクセスや、利用している外部サービス・オープンソースソフトウェア(CMSやプラグイン等)の脆弱性悪用、あるいはサプライチェーン攻撃を通じて不正なスクリプトが埋め込まれた可能性があります。
自組織チェックポイント
自社で運営するECサイトやWebアプリケーションに、不正なスクリプトや改ざんがないか定期的に検査しているか
利用しているCMS、プラグイン、ECプラットフォームなどの脆弱性管理と迅速なパッチ適用が行われているか
外部連携スクリプトやCDN等の整合性を監視する仕組み(CSPやSRI等)が導入されているか
万が一の不正アクセス発覚時に迅速にサイトを切り離せる遮断手順が整備されているか
京都タワーホテルアネックス、予約システムで不正アクセス
京都タワーホテルアネックスは、外部の宿泊予約情報管理システムにおいて同ホテル管理のアカウントが第三者による不正アクセスを受けた可能性があると公表しました。これに伴い、同システムを経由して予約した顧客に対して、フィッシングサイトへ誘導する不審なメッセージが配信されたことが確認されています。
攻撃手法(確認済み)
公表文では、外部の宿泊予約情報管理システム(Booking.com社)における同ホテルのアカウントが第三者による不正アクセスを受けたとされていますが、具体的な侵入手法については明記されていません。
攻撃手法(推測)
ホテルの予約管理システムアカウントに対するパスワードリスト攻撃や、管理者端末からの認証情報の窃取、あるいはフィッシング等による不正ログインの可能性があります。
自組織チェックポイント
外部SaaSや予約管理システムのログインに多要素認証(MFA)が有効化されているか
同一・類似のパスワードを複数のシステムで使い回していないか
外部システム経由で顧客宛てに送信されるメッセージ内容に異常がないか定期的に確認しているか
クラウドサービスや外部プラットフォームのアクセスログを監視する体制があるか
ギグワークス、不正アクセスで第3報を公表
📰 過去報告:8/6
ギグワークス株式会社は、2025年12月に発生したサーバへの不正アクセスに関して第3報を公開しました。外部調査の結果、個人情報の外部持ち出しや不正利用は確認されていないものの、扶養控除申請データベースサーバ内の個人情報が短時間閲覧された可能性を完全に否定できないとして、対象者への連絡を実施する方針を示しています。
8/6 報告の他社事例と同様、不正アクセス発生後に詳細調査を進め、追加の対応状況や影響範囲を追報として公表する事例が続いています。
攻撃手法(確認済み)
公表文では「当社内の一部サーバに対する侵害が行われた」「一部システムに対し外部からの攻撃が行われ」とされていますが、具体的な侵入経路(VPN、外部公開サーバの脆弱性、認証情報の不正利用等)については明記されていません。
攻撃手法(推測)
再発防止策として「アクセス権限、使用する認証方式の抜本的な見直しと強化」が挙げられていることから、VPN等のリモートアクセス環境や公開サーバにおける脆弱な認証情報の悪用、または未パッチの脆弱性を突いた侵入の可能性があります。
自組織チェックポイント
外部公開しているデータベースサーバや社内システムへのアクセス制御が適切に行われているか
認証方式に多要素認証(MFA)が導入され、強固なパスワードポリシーが適用されているか
異常なアクセスや短時間のデータ閲覧を検知する監視システムが稼働しているか
万が一のインシデント発生時に備え、ネットワーク分離や隔離の手順が整備されているか
■ レポート・解説
OpenAI、新AIモデルAstraの開発活動を一時中断
OpenAIは、次世代AIモデル「Astra」の内部評価において、エージェント型コーディングやサイバーセキュリティ分野で高度な能力が確認されたことを受け、一部の内部活動を一時中断すると発表しました。同社は、リスクの高いモデルに対するセキュリティ制御やユニバーサル監視の強化を実施する方針を示しています。

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この内容は 2026-08-11 に配信されました。