2026-08-20(木)配信
セキュリティ脅威情報
■ 要対応(緊急度が高く、多くの組織で対応が必要な事案)
NetScaler ADC/Gatewayに認証回避の脆弱性
Cloud Software Groupは、NetScaler ADCおよびNetScaler Gatewayに深刻な脆弱性「CVE-2026-19490」「CVE-2026-19489」が存在することを公表しました。重要度は「クリティカル」と評価されており、同社は修正版へのアップデートを呼びかけています。
なぜご自身の組織で確認すべきかNetScaler ADC/Gatewayに認証回避および任意コード実行につながる極めて深刻な脆弱性が存在するため、修正版への即時アップデートが必要です。
■ 脅威動向
脆弱性jmespath.php におけるコードインジェクションの脆弱性
PHP 用ライブラリ jmespath.php の CompilerRuntime において、エスケープ処理の不備に起因するコードインジェクションの脆弱性が発見された。攻撃者が制御可能な JMESPath 式が CompilerRuntime または JP_PHP_COMPILE オプションが有効な状態で評価されると、不適切にエスケープされた関数名が PHP ソースコードとしてキャッシュファイルに書き込まれる。このキャッシュファイルが実行時にロードされることで、攻撃者が注入した任意の PHP コードが実行される仕組みである。デフォルトの AstRuntime を使用している場合は影響を受けないが、高速化のためにコンパイラ機能を利用している場合にリスクが生じる。
対象ソフト
jmespath.php は PHP で JSON データから要素を検索・抽出するためのライブラリであり、AWS SDK for PHP などの主要なプロジェクトでも利用されている。
影響
攻撃者は PHP プロセスの権限で任意のコードを実行できる可能性がある。これにより、サーバー内の機密情報の漏洩、データの改ざん、またはシステム全体の制御奪取につながる恐れがある。
対応策
2.9.1 以降のバージョンにアップグレードすること。直ちに対応できない場合は、JP_PHP_COMPILE を無効にし、CompilerRuntime の代わりにデフォルトの AstRuntime を使用することで回避可能である。
Apache AlluraにSSRFの脆弱性(CVE-2026-69223)
📰 過去報告:8/18
Apache AlluraのWebhook機能に起因するサーバサイドリクエストフォージェリ(SSRF)の脆弱性です。攻撃者がこの脆弱性を悪用することで、影響を受けるシステムが置かれた内部ネットワーク内のURLに対して、意図しないリクエストを送信することが可能になります。
8/18 報告の他製品事例と同様、Webhook 機能を介した SSRF 脆弱性が報告されています。該当製品を利用中の環境では影響の確認を推奨します。
主要なTTP
Webhook機能を利用したサーバサイドリクエストフォージェリ(SSRF)の実行
内部ネットワークへの任意のリクエスト送信
対象となる組織・利用者
Apache Alluraの1.19.1未満のバージョンを環境内で運用している組織。
推奨される防御アクション
開発者が提供する情報をもとに、Apache Alluraを最新の安全なバージョンへアップデートする
必要に応じてWebhook機能の利用状況やアクセス制限を確認する
■ 注目事例
サカタのタネ、国内外の不正アクセス調査完了
📰 過去報告:8/17
サカタのタネは、国内外のサーバーで発生した不正アクセスに関する調査が完了したと公表しました。国内サーバーでは約5.6万件の個人情報漏洩の可能性が確認され、米国連結子会社でも一部システムへの不正アクセスが判明しています。両事案ともに侵入経路は異なり、外部専門会社によるフォレンジック調査等を経て対策が実施されています。
8/17 報告の他社事例と同様、サーバーへの不正アクセスに伴う情報漏洩が確認されています。自社システムのアクセス監視や侵入対策の再確認が推奨されます。
攻撃手法(確認済み)
国内サーバーについてはリモートアクセス用の公開サーバーが起点となり管理者権限が取得された可能性、米国子会社についてはリモートアクセスの認証情報が起点となり社内ネットワークに侵入された可能性が確認されています。
攻撃手法(推測)
国内サーバーではVPN機器等の脆弱性を突いた侵入、または公開サーバーの不備や管理用認証情報の不適切管理が推測されます。また、米国子会社ではリモートアクセス用の認証情報の漏洩や推測容易なパスワードが悪用された可能性があります。
自組織チェックポイント
外部公開しているリモートアクセス機器(VPN等)に多要素認証(MFA)が導入されているか
リモートアクセス用サーバーやファームウェアが最新の状態にパッチ適用されているか
特権アカウントやリモートアクセス用アカウントの認証情報が適切に管理・定期変更されているか
外部からの不審なアクセスを検知・遮断できる監視体制(24時間監視やEDR等)が整っているか
アフラック生命、不正アクセスの調査結果公表
📰 過去報告:8/19
アフラック生命保険は、システムへの不正アクセスに関する調査結果を発表しました。オンライン相談および契約者専用サイトにおいて、短時間に大量のデータ照会が行われた際の監視・制御が不十分だったことが原因とされ、約440万人の顧客情報や代理店情報が漏えいしたとしています。
8/19 報告の事例と同様、Webシステムを介した情報漏洩が発生しています。大量データ照会に対するアクセス監視や制御体制の再確認が推奨されます。
攻撃手法(確認済み)
「オンライン相談」および「アフラック よりそうネット」システムにおいて、通常の利用時と同様の形式でアクセスと大量のデータ照会が行われ、制御や検知が不十分であったと記載されています。
攻撃手法(推測)
正規のユーザーアカウントの認証情報が何らかの手段で窃取された上、人間による通常の操作を偽装した自動化ツール(スクレイピング等)により、短時間での大量データ照会が行われた可能性があります。
自組織チェックポイント
自社Webアプリケーションにおいて短時間の大量データ照会を検知・制限する仕組みがあるか
認証後のセッション管理や認可制御が適切に実装されているか
通常利用を装った自動化アクセス(スクレイピング等)に対する対策(WAFやボット対策など)が導入されているか
システムリリース前の侵入テストやレビューにおいて、濫用的な利用シナリオが考慮されているか
イノベーション、GitHub不正アクセスで顧客情報漏えい
株式会社イノベーションは、同社が利用するGitHubアカウントが不正アクセスを受け、リポジトリ内に含まれていた最大62,691名分の顧客情報が漏えいしたと発表しました。原因は認証情報の不適切な管理および個人情報のリポジトリ内への保存であり、同社は該当トークンの無効化や再発防止策を実施したとしています。
攻撃手法(確認済み)
プログラムの設定ファイル内に直接記載されていたGitHubへのアクセス用認証情報(アクセストークン)が第三者に不正に取得・悪用されました。
攻撃手法(推測)
ソースコード管理サービスやリポジトリの検索ツールなどを通じて、ハードコードされた認証情報が外部の攻撃者に発見・窃取された可能性があります。
自組織チェックポイント
ソースコードや設定ファイルにAPIキーやアクセストークンがハードコードされていないか
開発用リポジトリ内に顧客データや個人情報が含まれていないか
外部サービスへのアクセス権限やトークンの発行フローが適切に管理・統制されているか
リポジトリへの不審なアクセスを検知・監視する体制が整っているか
ニデックWebサイトにソフトウェアの脆弱性を悪用した不正アクセス
📰 過去報告:8/15, 8/19
ニデック株式会社は、運営するWebサイトが不正アクセスを受けたと発表しました。調査の結果、Webサイトで使用していたソフトウェアの脆弱性が悪用されたことが判明しています。会員や問い合わせをした顧客の個人情報が閲覧または取得された可能性があるとして、個別の連絡や対応が進められています。
Webサイトや利用システムの脆弱性を悪用した不正アクセス事例が相次いでいます。公開Webサイトで使用しているソフトウェアの脆弱性管理やセキュリティ対策の再確認を推奨します。
攻撃手法(確認済み)
Webサイトで使用していたソフトウェアの脆弱性を悪用した不正アクセス。具体的なソフトウェア名やCVE番号は非公開。
攻撃手法(推測)
WebアプリケーションやCMS、あるいは稼働するミドルウェアの未修正の既知脆弱性が悪用され、外部から任意のコード実行やファイルへの不正アクセスが行われた可能性があります。
自組織チェックポイント
自社で運用・公開しているWebサイトやCMSのソフトウェアは最新に維持されているか
不要になった古い問い合わせデータや顧客データが長期間サーバー上に残留していないか
Webアプリケーションに対する脆弱性診断やセキュリティ監査を定期的に実施しているか
Webサーバーや関連するミドルウェアのアクセスログを監視し、不審なリクエストを検知できる体制にあるか
東京都中小企業振興公社、不正アクセスの最終報を公表
📰 過去報告:8/13
東京都中小企業振興公社は、1月に発生した「TOKYO UPGRADE SQUARE」公式サイトに対する不正アクセスおよびWebサイト改ざんに関する調査結果(最終報)を公表しました。外部専門機関による調査の結果、個人情報の漏えいや持ち出しの事実は確認されていないとしています。
8/13 報告の他社事例と同様、Webサイトへの不正アクセス・改ざん事例です。公開Webサイトの改ざん検知やセキュリティ管理の再確認をお勧めします。
攻撃手法(確認済み)
Webサイトの一部に存在していたセキュリティ上の脆弱性を悪用され、外部の第三者による不正アクセスおよびWebサイトの改ざん(無関係なサイトへの強制転送)が行われました。
攻撃手法(推測)
Webアプリケーションの脆弱性(SQLインジェクションやOSコマンドインジェクション、あるいはCMS等の不備)を突かれてサーバーへ侵入され、コンテンツの書換えが行われたものと考えられます。
自組織チェックポイント
自社で保有・運用するWebサイトやCMSに未修正の脆弱性がないか
定期的なWebアプリケーション脆弱性診断を実施しているか
OSやミドルウェアのセキュリティパッチが適切に適用されているか
Webサーバーの改ざん検知やファイル整合性監視の仕組みが導入されているか
■ レポート・解説
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この内容は 2026-08-20 に配信されました。