2026-08-24(月)配信

セキュリティ脅威情報

■ 脅威動向
脆弱性Splunk Enterprise におけるアクセス制御不備による管理者権限奪取の脆弱性
Splunk Enterpriseに存在するアクセス制御に関する深刻な脆弱性である。埋め込みレポートトークンを持つ認証されていないユーザーが、REST APIを介して検索ジョブのディスパッチアーカイブをダウンロードできる不備に起因する。攻撃者はこれによりセッション情報を復元し、レポート所有者がアクセス可能なすべてのデータに不正アクセスできる可能性がある。特に所有者が管理者権限(adminロール)を持つ場合、管理者権限での操作が実行される恐れがある。
対象ソフト
Splunk Enterpriseは、マシンデータの収集、インデックス作成、検索、分析を行うためのデータプラットフォームであり、IT運用、セキュリティ、ビジネスインテリジェンスなど幅広い用途で利用される。
影響
認証されていない第三者が、本来アクセスできない機密データへアクセスしたり、管理者権限を奪取してシステム全体を操作したりする可能性がある。
脆弱性Google Chrome (Android版) におけるヒープバッファオーバーフローの脆弱性
Android 版 Google Chrome のグラフィックスライブラリ Dawn において、ヒープベースのバッファオーバーフローの脆弱性が報告された。この問題は、細工された HTML ページをユーザーが閲覧することによって、遠隔の攻撃者がブラウザのセキュリティ境界(サンドボックス)を越えて任意のコードを実行することを可能にするものである。Chromium プロジェクトの自己評価において最高度の「Critical」に分類されており、悪用された際の影響が極めて大きい。
対象ソフト
Google Chrome は世界的に利用されている Web ブラウザであり、Android 版はスマートフォンやタブレットでの標準的な閲覧環境として広く普及している。
影響
遠隔の攻撃者が、ユーザーに特定の HTML ページを読み込ませることで、ブラウザの保護機能を無効化し、システム上で任意のプログラムを実行させる可能性がある。
対応策
151.0.7922.169 以降のバージョンへアップデートする。
脆弱性Mozilla Firefox および Thunderbird におけるメモリ破損の脆弱性
Mozilla Firefox および Thunderbird において、複数の内部的なバグに起因するメモリ破損の脆弱性が確認された。これらの問題は Thunderbird 153 などにおいて発見され、メモリ破損やその他のセキュリティに関連する欠陥の証拠が示されている。Mozilla Foundation によれば、十分な解析と努力があれば、これらの欠陥が悪用される可能性があると推測されている。CVSS スコアが 9.8 と極めて高く、広範囲のユーザーに影響を及ぼす可能性がある。
対象ソフト
Mozilla Firefox は世界的に利用されているオープンソースのウェブブラウザであり、Thunderbird は多機能なメールクライアントである。いずれも一般個人から組織まで幅広く利用されている。
影響
攻撃者によってメモリ破損が引き起こされ、遠隔から任意のコードを実行されたり、機密情報が窃取されたり、アプリケーションが強制終了させられたりする恐れがある。
対応策
Firefox 154 および Thunderbird 154 へアップデートすること。
Zabbix 7.4にセッションキーのハードコーディング脆弱性
Zabbix 7.4.0から7.4.10までのバージョンにおいて、フロントエンドセッションの署名用暗号鍵がデータベースのシードに誤って書き込まれる不具合が存在します。特定の認証条件が揃った環境下でセッションCookieが偽造されるおそれがあります。
主要なTTP
ハードコーディングされたセッションキーの悪用
SAML認証とゲストユーザー機能の併用環境を狙った不正アクセス
偽造したセッションCookieによる認証バイパス
対象となる組織・利用者
Zabbix 7.4.0〜7.4.10を使用しており、かつSAML認証とゲストユーザーの両方を有効にしている組織。
推奨される防御アクション
Zabbixサーバを修正済みバージョンの7.4.11へ迅速にアップグレードする
アップグレードによりデータベースから該当のセッションキーが削除されることを確認する

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■ 注目事例
KDDIのメールシステム不正アクセス、個人情報保委が行政指導
個人情報保護委員会は、KDDIが提供するISP向けメールシステムへの不正アクセス事案に関し、システム構成ソフトウェアの脆弱性悪用やパスワードの平文保存など技術的安全管理措置に不備があったとして、KDDIおよび関係プロバイダに対して行政上の対応(行政指導)を発表しました。メールサービス利用者約1,223万人のIDと約761万人のパスワードが平文保存されており、二次被害への注意喚起も行われています。
攻撃手法(確認済み)
メールシステムを構成するソフトウェアの脆弱性を悪用した不正アクセス。窃取された認証情報を用いたメールボックス内の情報閲覧。
攻撃手法(推測)
システム構成ソフトウェアに対するゼロデイ脆弱性または未修正の既知の脆弱性が悪用された可能性があります。また、認証情報が平文保存されていたことから、侵入後に直ちにアカウント情報が搾取され、横展開や不正ログインに利用されたと考えられます。
自組織チェックポイント
自社で運用・利用している外部向けシステムやメール関連システムに脆弱性がないか
パスワード等の機密情報が平文で保存されていないか(ハッシュ化や暗号化の徹底)
アクセス制御や多層防御の措置が適切に講じられているか
他社サービスと同一のパスワードを社内アカウント等で使い回していないか従業員に注意喚起しているか
ソディック、ネットワーク機器の脆弱性を悪用され不正アクセス
📰 過去報告:8/20
株式会社ソディックは、同社サーバへの不正アクセスに関する最終報を発表しました。海外拠点のネットワーク機器の脆弱性を悪用した侵入が確認されましたが、現時点で情報漏えいの痕跡は確認されていないとのことです。
8/20 報告の他社事例と同様、企業のシステムを狙った不正アクセスが発生しています。海外拠点を含めたネットワーク機器の脆弱性管理や対策状況の再確認を推奨します。
攻撃手法(確認済み)
海外拠点のネットワーク機器の脆弱性を利用した不正アクセス。
攻撃手法(推測)
海外拠点に設置されたルーターやVPN機器などのネットワーク機器に対して、未修正の既知の脆弱性が突かれ、内部ネットワークへの侵入経路として悪用された可能性があります。
自組織チェックポイント
自社および海外拠点に設置されているネットワーク機器(VPN、ルーター等)の脆弱性管理状況を確認したか
パッチが未適用のネットワーク機器が存在しないか
ネットワーク機器の管理画面がインターネット側から直接アクセスできないよう制限されているか
不正アクセス検知やログの監視体制が適切に機能しているか
学研メディカルサポート管理のWebサイトで不正アクセス
学研メディカルサポートは、同社Web制作事業部が管理するWordPressサイトにて不正アクセスの発生を確認したと発表しました。対象となったのは78サイトで、不正なアカウント生成や既存アカウントのパスワード書き換えが行われましたが、現時点で閲覧障害や情報流出は確認されていません。
攻撃手法(確認済み)
WordPressの脆弱性を狙った不正アクセスにより、WordPress内の不正なアカウント生成や既存アカウントのパスワード書き換えが行われました。
攻撃手法(推測)
未適用の脆弱性を悪用して管理画面への不正侵入が行われ、管理者権限を持つアカウントの不正作成やパスワード変更を通じてサイトが乗っ取られた可能性があります。
自組織チェックポイント
自社で運用・管理しているWordPressサイトのバージョンは最新か
WordPressのコア・プラグイン・テーマに未適用の脆弱性がないか
管理画面へのアクセス制限や追加認証(二要素認証など)が導入されているか
管理者アカウントのパスワードが強固に設定されているか
不要な管理者アカウントが存在しないか定期的に確認しているか
東芝テック「ShopCraft」、手順書誤記載で情報閲覧可能に
東芝テックは、クラウド型専門店向け本部システム「ShopCraft」において、他のユーザーの顧客情報が閲覧可能な状態になっていたと発表しました。特定ユーザー向け手順書への管理者アカウント情報の誤記載が原因で、当該アカウントを用いたことで約38万名分の顧客情報が閲覧可能な状態となっていました。なお、該当ユーザーによる情報の閲覧は確認されていないとしています。
攻撃手法(確認済み)
特定のユーザー向けに作成された手順書に管理者権限を有するアカウント情報が誤って記載され、当該情報を用いたことで他のユーザーの顧客情報が閲覧可能な状態となっていた。
自組織チェックポイント
外部向けや社内向けの手順書・ドキュメントに特権アカウント情報や認証情報が平文で混入していないか
クラウドサービスやマルチテナント環境において、アカウント権限のスコープが適切に分離・制限されているか
権限付与やアカウント管理に関する運用手順のダブルチェック体制が確立されているか
不要になった一時的な管理者アカウントやテストアカウントが適切に無効化されているか
学習サイト「KYO育tv.」で個人情報閲覧可能に
京都府は、委託して設置しているオンデマンド学習サイト「KYO育tv.」において、システムの不備により会員の氏名などがインターネット上で閲覧できる状態になっていたと発表しました。利用企業からの連絡により発覚し、最大1,338名分の情報が影響を受けた可能性があり、全サービスが停止されています。
攻撃手法(確認済み)
システムの不備により、「お気に入り機能」を活用していた会員の氏名等がインターネット上で閲覧可能な状態になっていました。
攻撃手法(推測)
Webアプリケーションにおけるアクセス制御の不備(認可制御の欠落や不正なパラメータ処理など)により、本来認証された利用者以外または一般公開されない情報にアクセスできる状態になっていた可能性があります。
自組織チェックポイント
自社で運用・開発するWebサイトにおいて、適切なアクセス制御(認可制御)が実装されているか
会員限定の機能やデータが、認証なしまたは不適切な権限で外部からアクセスできないよう検証しているか
外部委託システムの納品時や運用時において、セキュリティ上の不備がないか確認する仕組みがあるか
検索エンジン等に意図しない情報がインデックスされていないか定期的に確認しているか

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